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| 2023年8月~2024年3月 2024年(4月~8月) 2024年(9月~12月) 2025年(1月~6月) 2025年(7月~12月) |
| 2026年1月~ |
| オーバードーズ対策、風邪薬や咳止め薬など 若者を中心に広がる市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)対策の一環で、乱用の恐れがある成分を含む市販薬の販売に対する規制が強化。風邪薬や解熱鎮痛薬、せき止め薬など少なくとも840品目について、18歳未満は複数個や大容量の薬を購入できなくなった。市販薬を乱用すると意識障害や呼吸障害を起こし、まれに亡くなることもある。これまでも若者の年齢確認をドラッグストアなどの販売店に求めてきたが、過剰摂取の問題を受けて、厚生労働省は規制強化が必要と判断した。厚労省が指定した8成分を含む飲み薬が規制対象となった。販売店が18歳未満に販売できるのは、5~7日分以下の薬が入った1箱に限られる。18歳以上が複数個や大容量を買う場合は、薬剤師らによる購入理由や他店での購入状況の確認が必須となる。オンライン販売でも薬剤師らが映像と音声で確かめる。(2026年5月1日読売新聞) アルツハイマー病の記憶障害 脳の神経伝達物質「ドーパミン」の不足が、アルツハイマー病の記憶障害を引き起こすことをマウスの実験で解明したと、東北大などの研究チームが発表した。ドーパミンの量を人為的に増やすと、記憶障害は改善した。将来的に新しい治療法の開発につながることが期待される。国際科学誌に掲載された。ドーパミンは、脳の神経細胞同士の情報のやりとりを助ける伝達物質の一つです。チームは、嗅内皮質と呼ばれる脳領域で、神経細胞がドーパミンを受け取ることで記憶が形成されることに着目。遺伝子を改変してアルツハイマー病の特徴を再現したマウスに新しいにおいを覚えさせる実験を行ったところ、ドーパミンが十分放出されず、神経細胞が正常に機能しなかった。においを覚えることもできなかった。こうしたマウスに、ドーパミンの量を増やすパーキンソン病治療薬「レボドパ」を投与すると、神経細胞が正常に機能して新しいにおいを覚えられるようになった。今後、アルツハイマー病の患者で同様の効果があるのか、確かめていきたい。アルツハイマー病では病気の進行抑制効果のある治療薬はあるが、認知機能の回復に課題があり新しい治療法が必要とされている。マウスを使った実験で認知機能の回復を示せたのは画期的だと、話す。(2026年4月23日読売新聞) 新型コロナ後遺症「ブレーンフォグ」 新型コロナウイルス感染症の後遺症として、記憶障害や集中力低下が起こる「ブレーンフォグ」の症状を訴える人の割合が増えているとの調査結果を岡山大病院がまとめた。新型コロナの法律上の位置づけが引き下げられてから3年となるが、後遺症に長く苦しむ人もおり、きめ細かなケアが必要だ。同病院は2021年2月、専門外来の「コロナ・アフターケア外来」を開設。26年3月までに20都府県の1233人を診察した。日本で最初の感染者が見つかった20年に流行した「従来株」(120人)、21年夏から流行した「デルタ株」(140人)、22年以降に変異を重ねながら流行している「オミクロン株」(973人)に分け、症状などを分析した。その結果、ブレーンフォグを抱える患者は従来株では15%。デルタ株では24%。オミクロン株では37%で、従来株の約2・5倍の割合だ。 ◆ブレーンフォグとは、脳に霧がかかったように、頭がぼーっとする状態を指す。記憶障害や集中力低下のほか、頭痛などが起こることもあり、仕事や生活に支障を来す。詳細なメカニズムはわかっていない。(2026年4月21日読売新聞) 医療用トローチで唾液中のコロナウイルス量減少 新型コロナウイルス患者が、喉の炎症などを抑える医療用トローチをなめると、唾液中のウイルス量が一時的に低下する可能性があると、北海道大歯学研究院の研究グループが発表した。効果的な感染防止策につながることが期待される。新型コロナウイルスは、 口腔内の粘膜や唾液腺の上皮細胞で増殖し、せきやくしゃみなどの 飛沫 が周囲に飛ぶことで感染が広がるとされる。そのため感染拡大を防ぐには口腔内のウイルスを減らすことが重要となる。研究では、重症化しやすい変異株「デルタ株」が猛威をふるっていた2021年8月、セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)を含む医療用トローチをコロナ患者34人に服用してもらい、唾液を採取して分析した。CPCは殺菌成分がある。分析の結果、医療用トローチを服用した患者の唾液中に含まれるコロナウイルスの遺伝物質RNA量は、服用前に比べ平均で4分の1まで減少。感染リスクを一時的に低減させる可能性があるとわかった。研究では、患者にCPC含有の洗口液も使用してもらったが、RNA量に変化はみられなかった。洗口液は使用後に吐き出すため、効果が低いとみられる。医療用トローチは今後出現する新たなウイルス株でも有効性が見込めると説明。老人介護施設や医療現場での感染リスク低減に寄与できるかもしれない。大規模な臨床試験での検証を経て、実用化が期待される。(2026年4月20日読売新聞) mRNA技術で「薬剤耐性菌」治療に効果 たんぱく質の設計情報を持つメッセンジャー(m)RNAを使い、細菌が作り出す毒素を封じ込める技術をマウスの実験で開発したと、京都府立医大などのチームが英科学誌で発表した。従来の抗菌薬が効かない薬剤耐性菌の増加が課題になっており、新たな治療法につながると期待される。薬剤耐性菌の感染によって世界で毎年100万人以上が死亡している。このうち「緑膿菌」は、免疫が低下した人に感染して肺炎を起こしやすく、世界保健機関(WHO)が最も警戒すべき病原体の一つに指定している。緑膿菌は肺に入り込むと、菌の表面にある針状の器官を使って肺細胞に結合し、毒素を細胞内に送り込む。チームは針状の器官の先に取り付き、細胞との結合を防ぐたんぱく質を作り出すmRNAを設計。これをワクチンのように接種すると、たんぱく質が主に肝臓で作り出され、血流に乗って効率よく肺の奥まで届くことが分かった。緑膿菌に感染したマウスに治療目的で接種したところ、未接種は1日で死ぬのに対し、8割が7日目まで生きていた。菌の増殖も抑えられていた。感染する前に接種する予防でも効果があった。次に、免疫が低下した患者を模倣したマウスで調べたところ、既存の治療薬に比べて高い治療効果が見られた。mRNAと治療薬を併用すると、耐性菌に感染しても全てのマウスが生存した。チームは「耐性菌対策は待ったなしの課題のため、早く臨床応用に進みたい。緑膿菌だけでなく、別の細菌やウイルスによる感染症に対し、全く新しい技術となり得る可能性がある」と話した。(2026年4月9日毎日新聞) 肝硬変の肝細胞を若返らせる臨床研究 肝硬変患者の肝細胞を若返らせる再生治療に向け、長崎大などのチームが、臨床研究を開始したと発表した。5~10年後の実用化を目指しており、肝移植以外の新たな治療として期待される。肝臓の組織が硬くなって機能しなくなる「線維化」が進むことで肝硬変に至る。根本的な治療法は肝移植で、日本では年500件程度行われているが、ドナー不足などで患者が移植を受けられず、亡くなるケースも多い。国立がん研究センターは2017年、肝細胞に3種類の化合物を加えれば、増殖能力が高い「肝前駆細胞」と呼ばれる若い細胞に変わり、肝臓を再生できることを突き止め、若返らせた細胞を「CLiP(クリップ)細胞」と名付けた。発がんリスクが低いことなどが特徴という。人と臓器のサイズが近いブタを使った実験で、線維化の抑制などの効果を確認していた。臨床研究は、20~80歳の中等症の肝硬変患者3人を対象に実施する予定。 腹腔鏡で30グラムの肝組織を採取し、薬剤を加えて約90日間にわたりCLiP細胞を培養し、肝臓に戻す。約1年の経過を観察し、安全性などを調べる。(2026年4月6日読売新聞) 大腸がんの便潜血検査 厚生労働省は、大腸がんの発症の有無を調べる大腸がん検診の便潜血検査について、採取する便を従来の2日分から、1日分に変更する方針を決めた。検査を受ける人の負担が減ることが期待される。27年度から変更する予定だ。厚労省の指針で、自治体が住民向けに行う大腸がん検診は、40歳以上を対象に年1回行うことを推奨している。検診の主な方法は、便に血が混ざっていないかどうかを調べる便潜血検査で、検査キットの棒で便を採取する。現行では、便潜血検査は2日分の便を調べることとしている。国立がん研究センターによると、2日分と1日分で、陽性だった場合にがんが見つかる割合などに差がなかった。さらに1日分の方が、提出率が高かった。(2026年4月2日読売新聞) 膵臓がんなどの高難度手術で地域差大 膵臓がん治療などで実施される高難度の外科手術を受けた場合、地方の病院では都市部の病院に比べ、術後90日以内に死亡するリスクが17%高いとする結果を東京科学大のチームが発表した。80歳以上の患者に限ると41%リスクが高かった。膵臓の病気に対する外科手術の標準治療は「膵頭十二指腸切除術」と呼ばれる。膵臓の頭部を中心に胆のうや十二指腸、胃の一部などをまとめて切除して臓器を再建するため、手術時間が6~8時間と長く、難易度が高いとされる。退院までの間に感染症が重症化したり、膵臓の消化液が漏れ出て出血を起こしたりして、死亡するリスクが高いことが指摘されている。研究チームは、術後90日以内に病院内で死亡したケースを調べるため、2010~21年に切除術を受けた全国の8万6339人を解析した。その結果、人口が50万人以上かそこに隣接する都市部の病院に比べ、それ以外の地方の病院では死亡する確率が1・17倍高いことが明らかになった。特に80歳以上の患者に限ると、死亡する確率は1・41倍高かった。年齢が高くなるほど地方の病院では死亡するリスクが高まる傾向にあり、研究チームは「手術で受けるダメージが大きく、術後の合併症発生率も上昇する。急変した場合に迅速な対応が取れるかという面で、都市部と地方の差が生まれている可能性がある」と分析する。研究チームは「リスクの高い患者の手術は、可能なら設備の整った都市部の医療機関で行うことが理想だ。高難度手術をする医療機関を集約化することで、限られた人材と設備を有効に活用できる」と指摘する。一方で「移動困難な患者もいるため、病院間でのリモートコミュニケーションを活性化させるなど、地方で安全に手術ができるサポート体制を強化することも必要だ」と話した。(2026年4月1日毎日新聞) がん検診にAI活用検討 がん検診のX線画像のチェックに人工知能(AI)を活用できるかどうか、厚生労働省は検証する方針を決めた。現在はすべての画像を2人以上の医師でチェックしている。AIを使うことで、医師の負担を減らしつつ、検診の精度を保てるか調べる。肺、胃、乳房の検診では、見落としを防ぐため撮影したすべてのX線画像を2人以上の医師がチェックすることとしている。一方で、二重にチェックする医師の不足や負担が課題になっている。また、肺がん検診で二重チェックが取り入れられてから30年以上たっており、画像から異常な影を見つけ出すAIの技術も進歩している。こうした状況から、厚労省はAIで負担軽減できないか検証を始める。AIで画像を解析し、異常な影があるとされた場合は、その結果を元に、精密検査が必要か検診施設の医師が判定し、二重チェックを省く。AIで異常がないとされた場合は、これまで通り医師が二重チェックして、精密検査が必要か検診施設の医師が判定する。(2026年3月23日 読売新聞) 「高度な手術」で診療報酬上乗せ 厚生労働省は、消化器外科医不足を解消するため、食道がんや 膵臓すいぞう がんの摘出などの高度な手術を行った際の病院への診療報酬を上乗せする。2026年度の診療報酬改定で、上乗せ分の3割以上が外科医の給料増に使われる仕組みを設け、医師確保につなげる。診療報酬で特定の診療科を優遇するのは初となる。消化器外科医は、長時間の手術や休日の緊急対応が求められる厳しい勤務環境にあるにもかかわらず、給料は他の診療科の医師と変わらない。このため若手医師を中心になり手が不足し、高齢化している。日本消化器外科学会によると、医療機関で働く消化器・一般外科の医師は22年時点で約1万9000人と、それまでの20年間で2割減少した。食道や膵臓、肝臓、大腸のがんの摘出など、難易度が高く長時間に及ぶ消化器外科分野の手術を行った場合、病院に対して特別加算として報酬を上乗せする。上乗せ額は手術料の15%となる。大学病院などが対象で、5年以上の経験がある外科医が6人以上いる、複数の医師が協力して1人の患者を診るチーム制、または時間帯を分担して診療する交代勤務制を導入しているなどを要件とする。担当の診療科の医師に、特別加算の30%以上を支払うことも求める。今回、若手医師数が減る傾向にある心臓血管外科、小児外科、循環器内科などでチーム制に取り組む医療機関への加算も新たに設ける。(2026年3月22日読売新聞) 自分のiPS細胞、1千万円台で 将来の病気に備え、個人の血液から体のあらゆる組織になれるiPS細胞を製造・保管するサービスを、大手総合化学メーカーが4月から始めると発表した。費用は製造に1千万円台、保管に年間数万円と想定している。保管は契約次第で半永久的にできるという。iPS細胞は客の血液からつくり、対象年齢は臍帯血を活用する0歳からで、上限はない。(2026年3月17日朝日新聞) OTC類似薬、出産無償化 医療保険制度改革に向けた健康保険法などの改正案を閣議決定し、国会に提出した。市販薬と成分や効能が似た「OTC類似薬」を処方された患者に薬剤費の25%の追加負担を求める制度の新設が柱。75歳以上は、医療費の窓口負担割合に株式配当などの金融所得を反映させる仕組みを徹底する。現役世代の保険料軽減が狙い。少子化対策として出産費用の無償化も始める。来年3月の開始を目指す。解熱鎮痛剤ロキソニン錠、花粉症治療に用いられるアレグラ錠など、広く処方されている77成分約1100品目を想定する。子ども、がんや難病患者らは対象としない。金融所得は、後期高齢者の医療費の窓口負担割合や保険料算定に反映させる。自治体が金融所得の情報を金融機関からオンラインで取得するシステムを整え、2030年ごろに始めたい考えだ。少額投資非課税制度(NISA)口座の所得は対象外とする。出産費用の無償化は、全ての妊婦に定額の現金給付も行う。28年中に始める。(2026年3月16日 配信共同通信社) 老化細胞除去に成功 年齢とともに蓄積され、慢性的な炎症の原因とされる「老化細胞」を除去する方法をマウスの実験で発見したと、京都大の老年医学のチームが国際学術誌に発表した。国の指定難病にもなっている肺線維症などの加齢性疾患の治療につながる可能性がある。老化細胞は、正常な細胞が加齢などで分裂する能力を失い、体内に蓄積されたもの。運動や認知機能の低下、生活習慣病などの発症につながるとされている。チームは老化細胞の生存に必要とされる、糖を分解しエネルギーを作る酵素の一種に注目。「ナトリン3b」という既存の薬剤に、別の酵素との結合を阻害してエネルギーを作れなくし、老化細胞だけを死滅させる効果があることを見つけた。チームは生後20カ月の高齢マウスに3カ月間、週1回ナトリン3bを注射。肝臓や腎臓の機能回復や筋力の改善がみられた一方で、重い副作用はなかったという。さらにチームは、老化細胞の活性化につながるタンパク質も特定。肝臓、肺、腎臓などで老化に伴い増加し、老化細胞を活性化させて細胞死を妨害していた。ナトリン3bはこのタンパク質にも効果があった。肺が酸素が取り込めなくなる「特発性肺線維症」での効果を調べるため、肺線維症のマウスにナトリン3bを投与した。非投与グループの1カ月後の生存率は約50%だったが、投与グループは100%だった。老化細胞が消失しており、肺線維症の改善を確認できた。(2026年3月16日 配信共同通信社) ES細胞から作った内耳の組織移植 藍野大のチームによると、平衡障害に悩む患者は国内に約250万人いると推定される。多くを占める高齢患者では、めまいによる転倒で足腰を骨折し、寝たきりとなるリスクが指摘されている。チームはマウスのES細胞を使って、有毛細胞を含む内耳の組織(大きさ1~2ミリ・メートル)を作製。有毛細胞が減って絶えずふらついて回転するなどの症状があるマウスに、手術器具を使用して耳の穴から移植した。その結果、1か月後には回転せずに歩けるようになるなどの改善効果がみられたという。チームは人のiPS細胞からも内耳の組織の作製に成功しており、人での臨床研究を目指している。(2026年3月15日読売新聞) OTC類似薬に追加負担 市販薬と成分や効能が似た「OTC類似薬」を処方された患者に薬剤費の25%の追加負担を求める制度を新設。75歳以上の人に医療費の窓口負担割合に株式配当などの金融所得を反映させる仕組みを徹底する。現役世代の保険料軽減が狙い。出産費用の無償化も盛り込んだ。OTC類似薬に追加負担を求める「一部保険外療養」の新制度は、来年3月の開始を目指す。解熱鎮痛剤ロキソニン錠、花粉症に用いられるアレグラ錠などを含む77成分約1100品目を想定する。子供、がんや難病患者らは対象としない。(2026年3月13日産経新聞) コロナ予防投与承認へ、世界初 新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」を巡り、厚生労働省の専門部会は、発症を防ぐために事前に投与する「予防投与」を、効能効果として追加することを了承した。感染者と同居しているなどの理由で接触し、ウイルス感染の恐れがある場合が対象。手続きを経て承認されれば、新型コロナ飲み薬としては世界初となる。12歳以上が対象で、1日目は3錠、2日目以降は1錠を1日1回、計5日間飲む。重症化リスクの高い人への投与を想定している。インフルエンザでは、既に複数の薬で予防投与が認められている。ただ予防投与は原則保険適用外で、ゾコーバで保険適用にすかどうかについて現段階では不明。(2026年3月3日 共同通信社) 膝関節症にmRNA薬 オーストラリアで実施中の変形性膝関節症を対象とした臨床試験(治験)で、遺伝物質メッセンジャーRNA(mRNA)を利用した薬剤を1例目の患者に投与したと発表した。膝関節内へのmRNA薬剤の投与は世界初だとしている。この薬剤のmRNAには、軟骨の修復を促すタンパク質が作られるのに必要な情報が記録されている。治験登録によると、約1年間で9人の膝関節内に注射し、安全性や副作用の有無などを調べる。(2026年3月3日 共同通信社) 麻疹・おたふく・風疹の3種混合ワクチン承認へ 厚生労働省の専門家部会は、麻疹(はしか)、おたふく風邪、風疹の3種混合のMMRワクチンについて承認を了承した。公費助成を受けられる定期接種の対象とするかどうかを検討する予定だ。1回皮下注射する。現在は麻疹と風疹の2種混合のMRワクチンが定期接種の対象だが、おたふく風邪のワクチンは費用が原則自己負担の任意接種となっている。(2026年3月3日読売新聞) まひの指 AI使い神経修復 慶応大発の新興企業が、脳卒中などで手の指がまひした患者の脳波を読み取り、指を動かして神経の回復を促す新開発の治療機器を公開した。脳と機械をつなぎ意思や感情を伝える「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」の技術を活用した機器。慶応大理工学部のチームは、重度のまひの患者の意思を読み取り、電気刺激で指を動かす医療用BMIを開発。18年に新興企業「ライフスケープス」を都内に設立して製品化し、24年にリハビリ用の医療機器として承認された。この機器を使って重症のまひ患者が1日40分の訓練を10日間続けると、110例のうち約8割のまひが改善し、神経の修復効果があることが判明した。同社は脳波を感知する人工知能(AI)を向上させるなど改良し、新たにまひを回復させる治療機器として厚生労働省に申請。昨年12月、同省から承認審査を優先的に進める「先駆的医療機器」の指定を受けた。この機器はマレーシアで先行して承認され、今年3月に現地で販売されるという。国内での治験は6月に始める予定だ。チームは「科学的に治療効果の高いリハビリメニューを確立したい。将来は脳波計をヘッドホンのように扱いやすくし、在宅でのリハビリにも対応させたい」と話している。(2026年2月23日読売新聞) iPS細胞由来2製品の了承 厚生労働省の専門部会は1、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った二つの再生医療製品について、条件や期限を設けた上で製造販売を早期承認することを了承した。重症心不全を対象にした「リハート」とパーキンソン病を対象にした「アムシェプリ」。世界で初めてマウスの細胞からiPS細胞の作製に成功して20年、さまざまな臨床研究や治験を経て、実用化に一歩踏み出すこととなる。リハートは、重症心不全の治療で使う製品。心臓の表面にiPS細胞からつくった心筋シートを移植する。生理活性物質のサイトカインが分泌されることで心臓に新たな血管が再生し、傷ついた組織が修復して心機能の改善が期待できる。アムシェプリは、パーキンソン病治療のための製品。患者の脳にiPS細胞からつくった神経のもとになる細胞を移植する。パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミンを出す脳内の神経細胞が減ることで発症する難病で、手足の震えや歩行困難などの症状が出る。国内には約29万人、世界では1000万人以上の患者がいるとされる。二つの製品は、実用化に時間のかかる再生医療を早く患者に届けるための「条件・期限付き承認制度」で審査された。少数の治験症例から有効性が推定された製品を「仮免許」のように早期承認する仕組みで、7年以内にそれぞれ数十例を調べ、有効性や安全性を示して「本承認」を取る必要がある。(2026年2月19日毎日新聞) 遺伝子治療薬、薬価は3億円超に 幼いころから全身の筋肉が徐々に衰えるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの遺伝子治療薬が、公的医療保険の対象になり、薬価は国内最高の約3億497万円になることが決まった。国内でこれまでもっとも高かった薬価は、脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」の約1億6707万円だった。患者の自己負担に上限額を設ける「高額療養費制度」があるため、患者負担は一定額に抑えられる。(2026年2月13日朝日新聞) 第三者の精子提供(学会案) 第三者の精子を使う不妊治療について、日本産科婦人科学会が、新しいルールを定めた見解案を公表した。生まれた子どもが、成人後に精子提供者(ドナー)と会う権利を認め、人工授精だけでなく、より妊娠確率の高い体外受精も認める。ただ、匿名ではないドナーの精子を使う場合に限る。今後、パブリックコメントで意見を募って改良し、6月の総会を経て正式に決まる。1948年に第三者の提供精子を使った人工授精が国内で初めて実施され、これまで国内では1万人以上が生まれたとされる。その後、生まれた子どもが、ドナーの情報を知りたいという「出自を知る権利」を求める声が強まったが、法的な整備がされなかった。2025年の通常国会に、超党派の議員連盟が、第三者の精子・卵子を使う不妊治療のルールを定めた「特定生殖補助医療法案」を提出したが、廃案となっていた。こうした動きもふまえ、日本産科婦人科学会は一定のルールづくりを求め、学会の見解の見直しを検討していた。新たな見解案では、ドナーのプライバシー保護のため「精子提供者は匿名とする」としていた文言を削除。「子どもが成人した後に提供者と会う権利をできるだけ尊重する」とし、子の「出自を知る権利」を認めた。一方で、優生思想につながる懸念から、提供を受ける夫婦が、治療前にドナーを選ぶことは認めない。ドナーの情報は100年間の保存を求める。(2026年2月13日朝日新聞) 処方箋不要の緊急避妊薬、国内2剤目 予期せぬ妊娠を防ぐ緊急避妊薬「レソエル72」を医師の処方箋が不要な市販薬として、3月9日に発売すると発表した。緊急避妊薬の市販化は、国内で2剤目となる。レソエル72は、同社が製造している医療用を市販化した。価格は1錠6930円で厚生労働省が製造販売を承認した。緊急避妊薬は「アフターピル」とも呼ばれ、性暴力や避妊の失敗に直面した女性が使う。性行為から72時間以内の服用で妊娠を約8割防げる。服用が早いほど効果が期待できる。厚労省が公表するリストによると、現時点で約8000店舗で購入できる。薬剤師から説明を受け、その場で服用し、薬を持ち帰ることはできない。3週間後を目安に医療機関で受診するなどして、妊娠の有無を確認する。(2026年2月12日読売新聞) 不妊治療で通院「1時間以上」、交通費8割補助 こども家庭庁は2026年度、妊娠を希望する人が不妊治療で遠方の医療機関へ通院するための交通費の補助に乗り出す。不妊治療を受けられる医療機関が近くにない地域があるため、経済的な負担を軽減することで、全国どこに住んでいても安心して不妊治療を受けられる環境を目指す。支援する対象は、不妊治療を実施する自宅最寄りの医療機関までの移動に、標準的なルートで1時間以上かかる夫婦で、体外受精や男性の不妊治療などの保険適用の治療を受けた場合だ。電車やバスなど公共交通機関を利用した際の費用や自家用車のガソリン代について、10回を上限に8割を補助する。このほか、産後の健診や、助産師らのサポートで産後の心身を休める産後ケア、乳幼児健診のための交通費も補助する。不妊治療と同様に、移動に1時間以上かかる場合で、補助の割合は8割となる。上限回数は産後の健診が2回、産後ケアが7回、乳幼児健診は6回になる。補助を受けることを希望する人は市区町村に申請する。費用は国が2分の1、都道府県と市区町村が4分の1ずつを負担する。同庁は26年度予算案に3億6000万円を計上した。遠方の出産と妊婦健診にかかる交通費などを24年度から補助してきたのに加え、子どもを産みやすい社会整備に向けて補助の枠組みを広げることにした。(2026年2月12日読売新聞) 中国などに依存する抗菌薬原薬、生産継続できる体制整備 抗菌薬は、細菌の増殖を抑えたり死滅させたりする薬で、手術のほか、肺炎の治療などに必要となる。元になる原薬の多くを中国など他の国から輸入している。19年には中国メーカーからの原薬の供給停止などにより、日本の病院が抗菌薬を入手しにくくなり、手術が延期されるなどの影響が出た。厚労省は、製薬企業に備蓄しておく原薬の量を増やしてもらうことで、万が一原薬を輸入できない状況が生じても、各社が抗菌薬の生産を続けられるようにする。感染症の大流行で需要が急に高まった際にも十分な供給量を確保できるようにしたい考えだ。原薬の備蓄を積み増す企業を公募し、原薬の購入費用を全額補助する。国内で抗菌薬の供給実績がある数社を対象にする。国は、抗菌薬が不足すると国民の生命に大きな影響が及ぶ恐れがあるとして、一部を特定重要物資に指定し、原薬の国産化を進めている。また、製薬企業向けに抗菌薬の増産や備蓄も支援してきた。(2026年2月10日読売新聞) がんがニューロンを乗っ取って免疫系を抑制 肺がんなどの腫瘍が近くの感覚ニューロンを乗っ取ることで自身の成長を促進しようとすることが研究で明らかになりました。乗っ取られたニューロンは脳に信号を送り、腫瘍部位の免疫細胞の防御活動を抑制すると考えられています。従来の研究では、がん腫瘍周囲の免疫細胞と腫瘍細胞との直接的なやり取りは注目されていましたが、脳が腫瘍をどのように感知して免疫応答を調節するのか、また腫瘍と脳の神経を介したシグナル伝達が免疫応答にどのような影響を与えるかは十分に解明されていません。ワシントン州シアトルにあるアレン免疫学研究所のがん免疫学者であるアンナ=マリア・グロビッグ氏らの研究チームは、遺伝子改変マウスモデルを用いて、腫瘍が自然発生する状況を再現しました。その上で、腫瘍周囲の末梢神経を可視化し、どの神経繊維が腫瘍に集まるかを解析しました。免疫細胞の量や活性を詳細に調べることで、神経が免疫応答に及ぼす影響を測定しています。実験の結果、ニューロンは腫瘍と戦うための免疫系を助けるどころか、免疫系のがん攻撃を阻害するという有害な影響を及ぼすことが判明しました。研究チームが特定したマウスの脳と肺腫瘍の間のシグナル伝達経路を腫瘍が乗っ取ることで、脳幹から腫瘍へと戻る別のニューロンが迷走神経を介してノルアドレナリンと呼ばれる神経伝達物質を送り、最終的にマウスの腫瘍を殺傷する免疫細胞を抑制することも分かりました。実際に、研究者が遺伝子工学を用いて感覚ニューロンを不活性化したところ、腫瘍の増殖が50%以上も減少したことが報告されています。これは、ニューロンが腫瘍部位の免疫細胞の防御活動を抑制し、がん細胞の無制限な増殖を可能にしていたことを示しています。研究では、腫瘍由来の情報が脳幹へ伝達されて脳がノルアドレナリンを放出することで腫瘍周辺の免疫細胞を刺激して抑制するという、「腫瘍→脳→腫瘍」のシグナル伝達回路を特定しました。グロビッグ氏は「腫瘍はシグナル伝達軸を乗っ取り、自らの目的のために利用しています」と説明しました。(2026年2月5日) 災害時、在宅医療 厚生労働省は、病気や加齢で通院が困難な在宅患者を診る病院や診療所に、災害時の業務継続計画の策定を義務づける方針を固めた。関係する地域の行政や訪問看護事業者などと協議して、患者の支援や診療を継続する方策を定める。スムーズで迅速な災害対応を図るのが狙い。2026年度の診療報酬改定で、施設基準の要件に盛り込む。対象となるのは、在宅医療の拠点となる在宅療養支援診療所などで全国計約1万7000か所ある。施設基準には、在宅の患者からの連絡や往診に24時間対応するなどの要件がある。この施設基準に26年度以降、病院や診療所を新たに開設する場合、業務継続計画の策定を要件に加え、定期的な見直しも必須とする。既存の病院と診療所には、27年5月末までに策定させる。在宅医療を受けている患者は、自力での避難が難しく、市町村に避難計画の作成などが求められている要支援者に当てはまる人が多い。また、人工呼吸器を使用している場合、停電時の避難先や電源の確保方法を把握しておく必要もある。しかし、過去の災害では、在宅患者の状況把握や関係者との情報共有が遅れるケースが指摘されていた。在宅医療には行政や訪問看護、介護事業者、訪問歯科なども関わるため、厚労省は、こうした地域の関係者との連携を反映した業務継続計画の策定を想定している。介護事業者には、既に業務継続計画の策定が義務づけられており、在宅医療を担う病院と診療所にも対象を広げることで、災害対応での足並みをそろえる。業務継続計画を策定しておくことで、早期の患者支援や診療の継続・再開が期待できる。(2026年2月4日読売新聞) 補聴器普及率、大きな遅れ 日本補聴器工業会は、国内の難聴者に対する補聴器普及率は2025年に約16%にとどまっていたとする調査結果を発表した。同様の調査を行う欧州なども含めた17か国中では16位と低迷しており、同会は、公的支援のあり方などに課題があると指摘している。調査は国内の補聴器メーカー10社でつくる同会などが3年ごとに実施している。約1万4000人を対象とし、国内の人口構成などに合わせて推計した。その結果、難聴者への補聴器普及率は15・6%だった。一方、17か国ではフランスとデンマークがともに55%と最も高く、英国の51%、ノルウェーの49%が続いた。日本では、難聴を自覚して医療機関を受診しているのは約4割だ。難聴を放置すると認知症になるリスクが懸念され、補聴器が必要と診断されたら速やかに使い始めることが重要だ。ただし補聴器の多くは1台10万円以上と高額で、購入費用への自治体支援にばらつきがある。同会は「医学会や関連団体と連携し、早期の聴力検査から補聴器購入まで、難聴者を支援する法制定を求めていきたい」と語った。(2026年1月30日読売新聞) 胎児の病気調べる新型出生前検査 妊婦の血液を採取して胎児の病気を調べる新型出生前検査について、慈恵医大など全国11医療機関が、胎児の全ての染色体を調べる臨床研究を2月にも始める。胎児の病気が疑われる妊婦約2000人を対象に、検査精度の検証などを行う。人間の染色体は計23 対つい 46本ある。通常は2本ずつだが、1本や3本になったり、欠失や重複があったりすると、先天性の心臓病や発育の遅れなどにつながることがある。新型出生前検査は、日本医学会の運営委員会が認証した約600医療機関で、ダウン症に関わる21番目や、18番目、13番目の三つの染色体に限り行われている。今回の研究には、慈恵医大を中心に大学病院など日本医学会の運営委が認証した医療機関が参加する。染色体の数や、欠失・重複を調べる。超音波検査などで胎児の病気が疑われたり、過去に染色体に関する病気の子どもを出産したりした妊婦で、妊娠10週以降37週未満の18歳以上を対象とする。陽性の場合には原則、診断を確定させるために妊婦の腹部に針を刺して子宮内の羊水を採取する検査を受けてもらう。研究は2030年3月末まで実施する予定。検査精度の検証に加え、この検査を行える施設の条件を整理し、検査の実施前と実施後の遺伝カウンセリングなどに必要な支援体制も整備する。胎児の病気がわかった際には人工妊娠中絶など命を巡る重い選択を迫られるケースもあるが、三つ以外の病気では検査精度が十分に確立されていない。だが、検査の認証を受けた医療機関の報告によると、美容外科や整形外科など専門外の医療機関が新型出生前検査を実施している。郵送で陽性の結果を通知し、その後の相談に応じないなどのトラブルも起きている。(2026年1月30日読売新聞)) ◆ 新型出生前検査 =妊娠9~10週以降の妊婦の血液中に混じる胎児のDNAから染色体の病気の可能性を調べる。国内では21番目(ダウン症候群)、18番目(エドワーズ症候群)、13番目(パトウ症候群)の染色体を対象に2013年4月に始まり、比較的高い精度で判定できる。 緊急避妊薬、1錠7480円 望まない妊娠を防ぐための緊急避妊薬が、2月から薬局などで買えるようになる。年齢制限はなく、保護者の同意も不要だが、販売は対面のみで、その場で薬をのむことが条件となっている。緊急避妊薬は、アフターピルとも呼ばれ、望まない妊娠を防ぐために使われる。国内では、これまで医師の処方箋が必要で、医療機関を受診しなければならなかった。海外では約90の国・地域で処方箋なしで購入でき、市販化を求める声があった。薬局などで購入できるようになるのは「ノルレボ」。2月2日から、医師の処方箋がいらない市販薬(OTC医薬品)として販売する。緊急避妊薬の市販化は国内では初めて。年齢制限なし、対面でのみ販売。希望小売価格は1錠7480円。購入に年齢制限はなく、パートナーや保護者の同意もいらない。排卵を遅らせる効果があり、性交後72時間以内にのめば8割の確率で避妊できる。(2026年1月29日朝日新聞) 病院・診療所の倒産・休廃業等が過去最多717件 帝国データバンクは、2025年の病院・医科診療所の倒産が41件、休廃業・解散が676件に上り、過去最多となる計717件が事業を続けられなくなったと発表した。件数は事業者数ベースで、施設数ではさらに多くなる。物価高騰などで病院の倒産が前年の6件から13件に倍増したほか、院長の高齢化や後継者不在によって診療所の休廃業が大幅に増えた。同社が負債1000 万円以上で法的整理となった「病院」「診療所」「歯科医院」の経営を主業とする事業者を集計した。歯科を含めた2025年の倒産件数は66件と、2年連続で過去最多を更新。内訳は、病院が13件(前年6件)、診療所が28件(同31件)、歯科医院が25件(同27件)。負債総額は242億1900万円で、3年連続で200億円を超えた。倒産の主な要因として最も多かったのは、収入の減少(48件)で、経営者の病気・死亡(5件)などが続いた。休廃業や解散が判明した医療機関も大幅に増えており、病院が15件、診療所が661件、歯科医院が147件だった。診療所と歯科医院は急増し、前年に記録した過去最多を大幅に更新した。診療所・歯科医院は、後継者がおらず閉院するケースが増えているという。同社は「病院に関しては、2026年度の診療報酬のプラス改定の影響が注目される一方、「診療所では院長が高齢化しており、休廃業は今後も増え続けるのではないか。近年は院長が急に亡くなるケースも目立ち、借金を抱えたまま閉院すると破産につながる可能性が高い」と話している。(2026年1月27日 m3.com) 「かかりつけ医」 時間外の診療や在宅医療など医療機関が地域で果たす役割を明示する「かかりつけ医機能報告制度」の運用が始まった。ほぼ全ての医療機関が3月までに都道府県に役割を届け出て、内容は順次、厚生労働省の情報サイトで公開される。厚労省は患者に医療機関の選択に役立ててもらいたいとしている。85歳以上の高齢者が増加する中で、住んでいる地域で長期療養する高齢者らを継続的に支える、かかりつけ医の存在を厚労省は重要視し、制度を設けた。制度では、大学病院など特定機能病院と歯科医療機関を除く全ての医療機関が対象となる。各医療機関は、かかりつけ医の役割について高血圧や認知症といった40疾患のうち対応できるもの、夜間や休日などの対応の有無、訪問診療や自宅での看取りの実施状況など、項目ごとに都道府県に報告する。都道府県は報告内容を確認し、厚労省のサイト「ナビイ」で公表する。サイトには現状でも医療機関ごとに診療科や診療時間が載っているが、患者は今後、より詳細な情報を入手できるようになる。また、医療機関は報告内容のうち、対応できる疾患などについては院内に掲示する。(2026年1月27日読売新聞) 培養軟骨移植で膝関節修復 患者の膝から採取した軟骨細胞を培養して移植する再生医療等製品が、変形性膝関節症を対象に新たに保険適用されたと発表した。膝の軟骨そのものを修復し、症状を改善する新たな治療法として普及が期待されるという。変形性膝関節症は軟骨がすり減り、関節の隙間がなくなることで痛みや変形が起こる疾患。進行すると歩行が難しくなる。国内の推定患者数は約1千万人で、高齢化で増加傾向にあるという。移植治療では、まず患者自身の正常な膝の軟骨細胞を採取。特殊なコラーゲンで包み細胞を約1カ月かけて増殖させた後、軟骨の欠損部に移植する。臨床試験では欠損していた軟骨が正常な軟骨と同じ組織で修復されることや、安全性を確認。培養軟骨の移植治療は、これまで2千人以上が移植を受けた。変形性膝関節症の治療は炎症や痛みを抑える薬や運動療法、人工関節に置き換える手術などがあるが、軟骨自体を治す根本治療はなかった。(2026年1月26日共同通信社) 「抗体製剤」予防接種に 厚生労働省は、感染症に効果のある抗体成分を体内に投与する「抗体製剤」を、ワクチンと同様に使えるよう予防接種法を改正する方針を示した。せき、発熱などの風邪症状や、肺炎をもたらすRSウイルス感染症の抗体製剤を新生児らへの定期接種で使えるようにすることが念頭にある。抗体製剤は、ウイルスなどの病原体に対する人工的な抗体を投与し、免疫を獲得させる。病原体の一部などを接種して体内で抗体をつくれるようにするワクチンとは仕組みが異なる。厚労省は、現行法の定義では、ワクチンではない抗体製剤を予防接種に使うのは困難だとしている。RSウイルス感染症の抗体製剤は有効性や安全性が認められており、海外では予防に使われていると説明。抗体製剤を予防接種に使う医薬品の一つとして法律で位置付け「定期接種化の議論を早期に開始することが望ましい」とした。健康被害が出た際の救済の扱いなどを部会で議論し、春ごろをめどに見解を取りまとめる。RSウイルスでは、妊婦に接種することで胎児を守るワクチンが、4月から定期接種となる予定。(2026年1月23日共同通信) 早期乳がんの重粒子線治療、5年無再発率92% 早期乳がん患者に対し、放射線治療の一種「重粒子線治療」を実施したところ、5年間再発しなかった割合が92%だったとする臨床研究結果を、量子科学技術研究開発機構QST病院のチームが発表した。乳房切除ができない患者や、切除を希望しない患者の選択肢の一つになることが期待される。早期乳がん治療では、乳房の一部、もしくは全てを切除する手術が標準治療となる。一方で、生活の質の維持や見た目の問題から、乳房を温存する治療のニーズが高まっている。QST病院では、一般的なエックス線よりも効率よくがんを死滅させられる重粒子線を使った治療の臨床研究を実施した。乳がん患者のうち、腫瘍が2センチ以下でリンパ節転移がなく、悪性度が低い60歳以上の患者12人を対象にした。1日1回照射を計4日実施し、ホルモン療法を併用して経過を観察したところ、5年全生存率は100%、5年間再発しなかったのは92%だった。1人は再発し、切除手術をした。照射後、1カ月で6人に軽微な皮膚の変化や皮膚炎があったほか、2人が肋骨骨折、3人が乳腺炎となったが回復し、安全性も確認できたという。QST病院では、対象患者を20歳以上に広げるための臨床研究や、50歳以上で照射回数を1回のみにするための臨床研究を進めている。今後、標準的な治療にするためには、多施設で同様の結果が得られるかがポイントとなる。成果は放射線治療に関する国際専門誌に掲載された。(2026年1月15日毎日新聞) 部位別のがん5年生存率 がんと診断された人が5年後に生存している割合「5年生存率」について、2016年に診断された人のデータを厚生労働省が14日、公表した。国によるがん患者情報の一元的管理が始まって初めて、部位別の5年生存率も明らかになった。15歳以上の5年生存率を主な部位別にみると、前立腺がん92.1%、乳がん88.0%、子宮頸部がん71.8%、大腸がん67.8%、胃がん64.0%、肝臓がん33.4%、膵臓がんが最も低い11.8%だった。一方、15歳未満の小児がんの種類別の5年生存率は、網膜芽腫97.6%、リンパ腫・リンパ網内系腫瘍95.7%、胚細胞性腫瘍・絨毛性腫瘍・性腺腫瘍90.2%、白血病・リンパ増殖性疾患・骨髄異形成疾患82.2%、神経芽腫・その他類縁疾患78.5%、中枢神経系・その他頭蓋内・脊髄腫瘍が60.8%などだった。(2026年1月14日朝日新聞) 認知症の4割防げる 難聴や運動不足など14のリスク要因を取り除けば、日本国内の認知症の約4割を予防したり、進行を遅らせたりできる可能性がある。そんな研究結果を、東海大の耳鼻咽喉科がまとめた。国内のデータをもとに、認知症患者へのリスク影響を推計したのは初めてという。英医学誌ランセット関連誌に掲載された。デンマークのコペンハーゲン大認知症センターは、難聴や運動不足、糖尿病、社会的孤立など14のリスク要因について、国の国民健康・栄養調査や国内の研究データなどを使って推計。その結果、リスク要因を取り除けば、国内の認知症の38.9%を予防、または進行を遅らせる可能性があることがわかった。リスク要因別の影響をみると、中年期以降の「難聴」が6.7%で最も高く、「運動不足」(6.0%)や「高LDLコレステロール」(4.5%)、老年期の「社会的孤立」(3.5%)が続いた。(2026年1月13日朝日新聞) がんを死滅させる細菌 全国の水辺でよく見かけるアマガエルから、がんの特効薬になるかもしれない天然細菌が見つかった。大腸がんを起こさせたマウスの静脈に1回注射したところ、患部に集まってがん細胞を攻撃し、腫瘍は1~2日で完全消滅。細菌も一定期間で死滅し、臓器に定着して悪影響を及ぼすことはなかったという。発見した北陸先端科学技術大学院大の研究チームは「画期的な細菌だ」として、他の種類のがんに対する効果の確認と、より安全な投与方法や既存治療との組み合わせの模索を急いでいる。がん治療の基本は、手術・抗がん剤・放射線の3本柱だ。近年は、外部から侵入する異物に対する体の見張り役である免疫の力を立て直す免疫療法が新たな選択肢として加わった。代表例が、免疫の働きを抑えるタンパク質「PD-1」の働きを抑え、免疫に本来の攻撃力を取り戻させる免疫チェックポイント阻害剤だ。ただ、免疫療法は、よく効く患者がいる一方で、効かない患者も少なくない。効果が出るまで時間がかかることや免疫関連の副作用、高額な費用負担といった壁が残る。そこで「誰に、どの治療を組み合わせれば効くのか」を見極める視点が重要化。遺伝子を改変したウイルスでがん細胞を壊して免疫を活発化させる方法や、人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の免疫細胞を大量に用意し素早く投与する方法など、次の手が次々に試されている。この流れの中で、少し異色な存在に見えるのが「細菌」だ。細菌を用いたがん治療は150年以上前から検討されていたが、近年、腫瘍の中の酸素が乏しい環境や免疫が働きにくい環境に、特定の細菌が住み着きやすいことが分かり、再び注目が高まってきた。(2026年1月10日産経新聞) 化学放射線と免疫治療薬の併用 京都大病院は9日、食道がん患者に対し、抗がん剤と放射線を組み合わせた標準的な治療とともに、免疫機能を後押しする「免疫チェックポイント阻害薬」を併用する治療の臨床試験(治験)を実施し、有効性と安全性を確認したと発表した。手術ができない患者への適用など、手術以外の治療の拡大が期待される。京大病院によると、食道がんの一般的な治療では、抗がん剤と切除手術を組み合わせる。体力的な理由で手術が難しい場合や、食道を残したい人には、抗がん剤と放射線を組み合わせた化学放射線療法があるが、再発率の高さが課題だった。治験は進行度が異なる患者約40人を対象に5病院で実施。4カ月間の抗がん剤投与と1カ月間の放射線治療と並行し、免疫チェックポイント阻害薬の「オプジーボ」を1年間投与した。画像検査でがんが見えなくなる「完全奏功」と判断されたのは7割。1年後の生存率は9割を超え、化学放射線療法だけよりも良好な結果となった。副作用として想定された重篤な肺炎の発生は5%で、安全性は確保されたと判断した。(2026年1月9日共同通信) がん遺伝子パネル検査 がんの遺伝子の変化を網羅的に調べて対応する治療を探す、がん遺伝子パネル検査。国内でこの検査を受けた5万人超についての分析を、国立がん研究センターなどのチームが発表した。検査に基づく治療を受けられたのは8%で、がんの種類によっても差があった。がんは遺伝子の変化によって起きることから、近年は遺伝子の変化を調べ、それに合った治療をするゲノム医療が推し進められている。100種類以上の遺伝子を同時に調べるがん遺伝子パネル検査は2019年に保険診療になった。チームは、19~24年に検査を受けた約5万4千人について分析した。検査の結果、治療法のある遺伝子の変化が見つかったのは73%にのぼったが、国内未承認薬や治験段階のものも含まれ、実際にその治療を受けられたのは8%だった。ただ、経年的に改善してきており、19~20年には6%だったが、23~24年には10%に増えていた。がんの種類によっても治療に結びつく割合には差があり、患者が多く薬剤開発が進んでいる肺がんは20%、甲状腺がんは35%と高かった。一方で、薬剤の開発が進みにくい膵がんや肝臓がんは2%に満たなかった。患者の生存期間との関係を見ていくと、科学的根拠が強く国内承認済みの薬がある遺伝子変化が見つかった人は、最も予後が良かった。有効性のある薬が国内未承認薬だった場合でも、予後が良い傾向にあった。治験などを通じて未承認薬が使えれば、患者が恩恵を受けられる可能性がある。論文は6日、医学誌「ネイチャー・メディシン」に掲載された(2025年1月8日朝日新聞) パンデミックへ備え ワクチン開発 新型コロナウイルスの感染拡大のように感染症のパンデミックはいつでも起こり得る。広島大は9月、コロナ禍で国産ワクチンの開発が遅れたことを踏まえた国の要請に基づき、速やかに治験薬を製造、供給する施設を完成させる。鉄骨4階建て延べ約2600平方メートルの施設の建設が進む。大学がワクチン製造施設を持つのは国内で初めて。2027年に稼働を始める新施設はパンデミック発生時、国の要請に応じてワクチンを開発する。成分決定後に1万人分を3カ月程度で生産。初期データで安全性と有効性を確認できれば量産できる製薬会社などに引き継ぐ。平時には新興企業や製薬会社から治験薬の製造を受託する。(2026年1月7日中国新聞) 妊婦健診の「標準額」設定へ こども家庭庁は、妊婦や胎児の状態を調べる妊婦健診について、価格が医療機関によってばらつきがあるため、目安となる標準額を設定する方針を決めた。これより高く設定している医療機関が価格を引き下げ、妊婦の経済的負担の軽減につなげる狙いがある。有識者会議に方針を示し、了承された。妊婦健診は、妊娠の週数に応じて、妊婦の血糖値や感染に関する検査、胎児の成長を確認する超音波検査などのため、14回程度行われる。価格は医療機関が自由に設定しており、自治体による助成額にもばらつきがある。こども家庭庁によると、地域別の平均負担額は関東甲信越で約1万9000円に上る一方、中国・四国では約7500円と、1万円以上の開きがある。(2026年1月7日読売新聞) 帯状疱疹ワクチンは心臓病、認知症、死亡リスクの低減 帯状疱疹ワクチンは中年や高齢者を厄介な発疹から守るだけではないようだ。新たな研究で、このワクチンは心臓病、認知症、死亡のリスクも低下させる可能性が示された。米国感染症学会年次総会で発表された。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では3人に1人が帯状疱疹に罹患することから、現在、50歳以上の成人には帯状疱疹ワクチンの2回接種が推奨されている。帯状疱疹は、水痘の既往歴がある人に発症するが、CDCは、ワクチン接種に当たり水痘罹患歴を確認する必要はないとしている。1980年以前に生まれた米国人の99%以上は水痘・帯状疱疹ウイルスに感染しているからだ。水痘・帯状疱疹ウイルスは、数十年間にわたって人の免疫システム内に潜伏し、その後、再び活性化して帯状疱疹と呼ばれる痛みやチクチク感、痒みを伴う発疹を引き起こす。水痘への罹患経験がある人なら年齢を問わず帯状疱疹を発症する可能性があるが、通常は、ストレスにさらされ、免疫力が低下している50歳以上の人に多く発症する。米国の107の医療システムから収集した17万4,000人以上の成人の健康記録を分析し、帯状疱疹ワクチン接種者の健康アウトカムをワクチン非接種者のアウトカムと比較した。ワクチン接種者は接種後3カ月~7年間追跡された。その結果、帯状疱疹ワクチンの接種により、血流障害による認知症のリスクが50%低下、血栓のリスクが27%低下、心筋梗塞や脳卒中のリスクが25%低下、死亡リスクが21%低下した。(2026年1月5日米国感染症学会年次総会M3.com) 全自動で磨く歯ブラシ開発 早稲田大発のベンチャー企業が、口にくわえるだけで自動的に歯を磨ける「ロボット歯ブラシ」を開発した。短時間で気軽に歯を磨くだけでなく、子どもの歯磨き習慣定着や、1人での歯磨きが難しい障害者や介助者らの負担軽減などにも期待する。春にも一般販売を始める。口内の衛生環境を保つことは、歯周病などの感染症予防にもつながる。縦6センチ、横10センチ、奥行き5・5センチの本体に、複数のブラシを備えたU字形の装置を付けて使う。口にくわえて起動すると、ブラシが円を描くように振動しながら移動し、上下の歯の表裏や歯間を磨いていく仕組みだ。ブラシの動きは本体の二つのモーターで制御。ブラシの角度や制御システムを工夫し、最短1分で手磨きと同程度まで歯垢を除去できるという。先端を付け替えると頬や舌の筋肉のマッサージもできる。高齢者の誤嚥予防や、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の口を開けやすくしたり唾液量を増やしたりして、口内を清潔に保つことが期待できるという。(2025年1月5日共同通信社) ゲノム編集で筋ジストロフィー治療 筋ジストロフィー症で損傷した筋肉が回復しにくくなるのを、ゲノム編集を使って治療する方法を、京都大学と武田薬品工業の研究チームが開発した。これまでの治療法よりも効果的で持続することをマウスの実験で確かめた。今後、実用化に向けて安全性などを確かめる。研究チームが対象にしたのは、遺伝性疾患のデュシェンヌ型筋ジストロフィーで、遺伝子の異常でジストロフィンというたんぱく質ができず、筋肉の細胞が傷ついても修復しにくい。研究チームは、遺伝子を組み込むのにゲノム編集技術を使う方法を開発。その結果、細胞修復に欠かせない筋幹細胞に、遺伝子を効果的に組み込めることをマウスの実験で確認した。さらに、ジストロフィンを作り出す効果も1年以上にわたって持続した。研究チームは、ほかのタイプの筋ジストロフィーも、組み込む遺伝子を変えることで治療できる可能性がある。今後は人への臨床応用に向けて、さらに研究を進めていきたいと話した。研究成果は12月17日付の米科学誌セルリポーツに掲載された。(2026年1月5日朝日新聞) 「スギ花粉米」活用した医薬品開発 政府は、花粉症の症状を和らげる効果が期待される「スギ花粉米」を原料とした医薬品の開発を加速させる。有効性や安全性の検証のため、臨床前試験を年内にも行い、早期の実用化を目指す。「国民病」とも呼ばれる花粉症対策の切り札にしたい考えだが、医薬品の承認手続きやスギ花粉米の量産化が課題となる。スギ花粉米は遺伝子組み換え技術を使い、花粉症の原因物質の一部を含ませたものだ。少量で摂取を続け、花粉への耐性をつけることで、アレルギー反応が起きにくくなると期待される。スギ花粉症に悩む国民は約4割を占めるとされ、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の医療費は年間4000億円に上ると推計される。政府は23年、花粉症に関する関係閣僚会議を設置し、発症、発生源、飛散の3分野で対策を進めている。(2025年1月5日読売新聞) |
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