足関節捻挫 (靭帯損傷と剥離骨折を含む)

 ・足関節捻挫は、「内がえし」や「外がえし」が強制され、軟部組織や靭帯が損傷される疾患です。

・「内がえし」によって起こる捻挫を回外捻挫と言います。

・「外がえし」のよって起こる捻挫を回内捻挫と言います。

・「単なる捻挫」、「靭帯損傷を認める症例」、「剥離骨折を認める症例」があります。


単なる捻挫 
 ・単なる捻挫で、靭帯損傷や剥離骨折を認めません。


靭帯損傷を認める症例 
 ・足関節の靭帯は、脛腓靭帯や外側側副靭帯(前距腓靭帯、後距腓靭帯、踵腓靭帯)、内側側副靭帯(三角靭帯)があります。これらの靭帯によって足首の安定性が保たれています。

・大半は内がえし(回外捻挫)が強制されてされて起こる外側側副靭帯損傷です。

・特に強度の弱い距腓靭帯損傷をよく見かけます。

・症状は足関節痛や腫れ、不安定性、歩行障害です。

・診断はレントゲン検査です。捻挫をした際の足首の状態を再現したストレスレントゲン撮影(外側側副靭帯断裂)が診断の決め手になります。症例により前方引き出しテスト陽性を認めます。

・超音波検査は動的に損傷部を観察できるため有益な情報を与えてくれます。


剥離骨折を認める症例 
・外果剥離骨折や内果剥離骨折を認めます。

・大半は「内がえし」が強制されて起こる
外果剥離骨折です。

・診断はストレスレントゲン撮影で確認されることが多々あります。

・時に「外がえし」が強制されて起こる内果剥離骨折も経験します。

・陳旧性外果剥離骨折(過去に骨折したタイプ)もありますので注意深く観察が必要です。

・まれに
距骨骨軟骨障害を認めることもあります。疑わしければMRIで精査して下さい。



治療
1)保存的治療
・受傷直後は
ライスの処置を行います。単なる捻挫は経過観察します。

・疼痛緩和に
外皮用薬、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤などを短期間処方します。

・軽症例は
サポーター固定を勧めます、

・中症〜重症例は
ギプス包帯やギプスシーネ(足関節外果剥離骨折など)固定を行います。

・なお、骨や筋肉の萎縮(衰え)を防ぐためにギプスのまま歩行を許可します。固定期間は損傷の程度に応じて3〜5週間程度です。

・固定後は、早期より
足首のストレッチング、膝の筋力強化、足首の筋力強化(特に外返しの訓練)などの運動療法をを指示します。

2)手術的治療
・重症例や早期スポーツ復帰を希望される症例や複合靭帯損傷例が適応となります。

・術式は縫合術や靭帯再建術を検討します。

・足関節捻挫は的確に診断し治療しないと、将来、
変形性足関節症を招きロコモティブシンドロームへと進展するので要注意です。


●よく患者さんから「テーピングはいかがですか?」とお尋ねがあります。
・テーピングは皮膚にします。骨や靭帯にするわけではありません。15分程度のスポーツ活動で、粘着力が落ち、固定力がなくなります。靭帯損傷や剥離骨折の症例にはお勧めできません。

・なお、
小児の足関節捻挫はこどもの整形外科を参照されて下さい。


 たはら整形外科